形(カタ)稽古のコトはじめ

カタかたり

八百万の神々。
この国の文化的背景には本来様々な価値観との同居というものがあった。
多様な神々との共存には適度な距離感と丁寧な接触というものが重要であり、伝統的な形稽古とは、単に武術の稽古を行うばかりでなく、同時にそれも学んでいくということを意味していた。

一つの形(カタ)における学びとは
①そのカタの持つモノガタリ(流れ)を知ること
②そのカタの持つ意を知ること
③そのカタを様々な場(価値基準)から眺めること
の3つがベースとなる。

そのため、私たちの稽古会では①②を知るために必要な原則的なことをしっかりと確認していくために必要なことや、③の場において価値基準のモノサシとなることを重視している。
これを基本と呼び、それを元に稽古を進めているのだ。

さて、
八百万の神々とは未熟なそれもまた含まれる。
自分の体を動かすにあたって、体の様々な部分にもまたそれぞれの価値や役割がある。
それゆえ、個々のパーツとも丁寧なかかわりを行うことは必然となる。
そこではあたかも自主性を重んじることを大切にしている保育士のごとく、それぞれとのコミュニケーションを行っていくことが求められる。
個々のやる気を引き出し、好奇心を失わせないための工夫。
それが差し当たって求められるテーマとなる。
もっとも重要なことは子供たちが遊べるための材料をどのように提供するのかということと、飽きさせないために同じことばかりを繰り返さないということである。

カタ稽古のコトはじめ。
上手に行えればそこに土台たる地(チ)ができ、さまざまに展開することで血(チ)が通う。
カタにチが流れたとき
形はカタからカタチと成る。

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