場の学びというテーマでこの数年進めて来た。
このテーマで何ターンか行ったことによる参加者の質的向上。
昨年、新規会員が入ったことと10数年振りに復活した会員があったこと。
そのほかの諸々の状況を鑑みて、ここに来て再び基本の学びを稽古の中心として進めている。
場の違いからの形稽古の取り組みを通して、基本の意味が深く理解されるようになってきたことが最大の理由でもある。
矛盾するのだが、基本とはシンプルな所作から成り立つものでなければならない。
しかし、技術はレベルとともに複雑なものとなる。
そうする中で、如何に基本を理解していなかったかということに直面することとなる。
基本は単純な所作から成る。
動作はすることとしないことから成る。
では基本の動作は何から成るのか?
場の中での工夫を通して私たちは何をし、何をしないのかに直面してきた。
そこでは、何となくではなく、ひとつひとつのコマの中で、何をし何をしないのかを選択することが要求される。
それゆえ、形稽古の工夫の中ではどのコマを切り取ってもそこに明確な決断が生じることとなる。
私たちはその決断を覚悟と呼ぶのだ。
だから形稽古は人を選ぶと言われる。
覚悟をもって向き合うものにそれは振り向く傾向があるからだ。
そう、それは高嶺の花に立ち向かう恋愛のようなものなのだ。
あえて言う。
「あんた、そこに愛はあるんか?」
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